妊娠中の十月十日の心使い


一ヶ月目 くにとこたちのみこと。水の神様。一滴の縁の水から始まる。水と目の御守護を頂くときなので、何を見ても喜び、夫を立て、水のように相手の形に合わせ、サラサラと淀むことのない心で通る。水を大切にする。すると、目性のよい子が授かる。


二ヶ月目 をもたりのみこと。ぬくみの神様。ぬくみの神様が子種を育てられる。ぬくみの御守護を頂くときなので、温かい心を使うこと。しかし、カッカとのぼせたり、擦れ合いの心を遣うと、熱病にかかりやすい子になる。


三ヶ月目 くにさづちのみこと。皮膚のお働きを下され、物でいえば風呂敷にて包んだものである。筋や皮膚の大切なときなので、恨みの心を持たぬこと。人の顔を立て、人の顔を良くなるよう、つなぎの心で通ると、皮膚のきれいな器量のよい子が授かる。


四ヶ月目 月よみのみこと。骨つっぱりの神様。骨つっぱりの御守護を頂くときなので、この一ヶ月間は妊娠中だ、つわりだと言って身をいとわず、しっかり働くこと。すると、元気で頑丈な骨組みの子が授かる。


五ヶ月目 くもよみのみこと。口から胃腸から肛門にかけての消化器と、血肉を造る機械を造って下さいます。飲み食い出入りの機能に大切な時期なので、食べ物に不足せず、人様のために喜んで料理を作り、喜んでもらうようにすると、胃腸の患いのない健やかな子を授けて下さいます。


六ヶ月目 かしこねのみこと。人間に、五つの音の笛のごとき言葉のお許しを下さった神であります。息吹き分けの御守護を頂くときなので、人を喜ばす言葉を使い、人の話もよく聞き分け、夫婦仲睦まじく話し合い聞き合いをすること。そして、ブスッとしてものを言うことのないよう心して通ると、賢い子が授かる。


七ヶ月目 たいしょく天のみこと。人体のへその緒を切って下され、出産のとき子袋を切って下さいます。切るお働きを頂くときなので、グチグチ思わず、思い切りをよくする。欲を離れ、踏ん切りをつけると、お産も軽くしていただき、痔の患いのない子になる。


八ヶ月目 をふとのべのみこと。お産の時に陣痛を下さる神様であり、成長の御守護を下さいます。引き出しの御守護を頂くときなので、高慢にならぬよう低い心で人の良いところを引き出し、あの人もこの人も偉いなあという気持ちで通ると、逆に皆から引き出してもらえる子になる。


九ヶ月目 いざなぎのみこと。一番最初の父親であり、男雛形・種の御守護。夫を立てて通ると、男の子なら世に立つ子、女の子なら夫を立てていける子を授かる。


十ヶ月目 いざなみのみこと。最初の母親であり、女雛形・苗代の御守護。素直で低い柔らかい心で通ると、女の子ならそういう子、男の子ならそういうお嫁さんが授かる子になる。


十月十日の最後の十日、十ヶ月のおさらいを一日ずつして予定日を迎えると、生涯その子のことで悩むことのない子を授かる。