かしもの・かりものの教え

母の介護をするにあたり介護用品を利用しています。利用している介護用品のほとんどは借り物でありますからレンタルなのです。レンタル用品はとても便利で壊れたら修理をしてくれますし、介護の状況によって合わなくなったら交換や返品が出来ます。すべては介護用品の会社任せで、借りているこちら側は、言われる通りに使うだけなのです。もしも、介護用品がレンタルでなく買わなければならないとしたら自分の物になります。そうなると、壊れれば自分で修理をし、要らなくなったからと言って返品も出来ません。介護用品は、レンタルと自分物とでは便利さがずいぶん違ってきます。

 天理教の根本の教えは、自分の物と思っているこの身体は、親神様からのもらい物でもなければ、贈り物でもなく、借り物と教えられます。言い換えればレンタルと言うことなのです。身体がもらい物であったり贈り物であったら自分の物になるので、この身体の管理はすべて自分がしなければなりません。この身体が親神様からのレンタルだからこそ、維持管理は親神様がしてくださるのです。身体が自分のものであれば自分の責任で自分の体を動かさなければいけませんが、借り物であるので、親神様が動かしてくださるのです。親神様が動かしてくださるからこそ、安心して寝ることもできれば、働くこともできるのです。身体に傷がすれば治してもらえますし、ばい菌の侵入があればやっつけてもくれます。お医者さんは縫うことが出来てもくっつけるのは親神様任せなのです。また、古くなれば、死という行為で新しい身体に換えてもくれます。身体はレンタルだからこそ、親神様任せで毎日を安心して暮らすことが出来るのであります。

 そして、借りている側の人間がすべきことは、介護用品のように、貸し主の思いに沿った使い方をすることなのです。貸し主の親神様の望まれる使い方とは、助け合いという陽気ぐらしをすることなのです。夫婦仲第一を基本にした使い方をさせて頂きましょう。